「膝が痛いけれど、原因がよく分からない」
「歩くと膝が痛む」
「階段の上り下りで膝が痛い」
「年齢のせいだから仕方ないと思っている」
このような膝の痛みで悩んでいませんか?
膝痛の原因は一つではありません。
膝の関節や筋肉、腱などの問題だけでなく、股関節や足首、姿勢、歩き方などが膝への負担に関係していることもあります。
そのため、膝の痛みを改善するには、痛い場所だけを見るのではなく、「なぜ膝に負担がかかっているのか」まで確認することが大切です。
この記事では、膝の痛みが起こる主な原因から、痛みが出やすい動作、改善するための考え方、病院を受診したほうがよい症状まで、専門家の視点から分かりやすく解説します。
膝の痛みはなぜ起こる?まず知っておきたい原因
膝の痛みにはさまざまな原因があります。
大きく分けると、
- 膝の関節そのものの問題
- 筋肉や腱への負担
- ケガや外傷
- 年齢による変化
- 股関節や足首の動き
- 姿勢や歩き方
- 運動や仕事による使いすぎ
などが考えられます。
ここで大切なのは、「膝が痛い=膝だけに原因がある」とは限らないということです。
膝は、太ももの骨とすねの骨の間にある関節です。
歩く、立つ、しゃがむ、階段を上るなど、日常生活のほとんどの動作で使われます。
そのため、身体のどこかに動きの偏りがあると、膝に負担が集中することがあります。
膝痛の主な原因①筋肉や腱への負担
膝周辺には、膝を動かしたり支えたりするための筋肉や腱があります。
これらに繰り返し負担がかかると、膝周辺に痛みを感じることがあります。
運動量が急に増えた
例えば、
「久しぶりに運動を始めた」
「ウォーキングの距離を増やした」
「ランニングを始めた」
という場合です。
身体が負荷に慣れていない状態で急に運動量を増やすと、筋肉や腱などに負担が集中することがあります。
特に、膝に痛みが出始めた時期と運動量を増やした時期が一致している場合は、負荷の変化を確認してみましょう。
立ち仕事や歩く時間が長い
運動をしていなくても、仕事などで長時間立っている人は膝に負担がかかります。
一度の負担が小さくても、毎日繰り返されることで痛みにつながることがあります。
「仕事の後だけ膝が痛い」
「長時間歩くと膝が痛くなる」
という場合は、日常生活での負荷を見直すことも重要です。
膝痛の主な原因②変形性膝関節症
中高年の膝痛でよく知られているのが、変形性膝関節症です。
膝関節の軟骨などに変化が起こり、痛みや動かしにくさなどが生じることがあります。
特に、
- 歩き始めに膝が痛い
- 階段の上り下りで痛い
- 正座やしゃがむ動作がつらい
- 膝がこわばる
- 膝が腫れることがある
などの症状がみられることがあります。
ただし、「膝が痛い=変形性膝関節症」と決めつけることはできません。
画像検査で膝に変形があっても、痛みを感じない人もいます。
逆に、画像上大きな変化がなくても痛みを感じる人もいます。
そのため、画像だけではなく、実際の症状や身体の状態を合わせて判断することが大切です。
膝痛の主な原因③膝周辺のケガ
スポーツや転倒などをきっかけに膝を痛めることもあります。
例えば、
- 転倒した
- 膝をひねった
- スポーツ中に急に方向転換した
- ジャンプの着地で痛めた
- 強くぶつけた
などです。
このような明確なきっかけがある場合は、筋肉の疲労だけだと自己判断しないことが大切です。
強い痛みや腫れ、膝が動かしにくいなどの症状がある場合は、医療機関で状態を確認しましょう。
膝痛の主な原因④股関節や骨盤の動き
膝の痛みを考えるときに見落とされやすいのが、股関節や骨盤です。
膝は、股関節と足首の間にあります。
歩くときには、
骨盤 → 股関節 → 膝 → 足首
というように、複数の関節が連動して動きます。
そのため、股関節の動きが悪かったり、身体の左右差があったりすると、歩き方が変化することがあります。
その結果、膝に負担が集中するケースがあります。
骨盤の左右差がある場合
立ったときにいつも片側へ体重をかけるクセがあると、左右の脚で負担のかかり方が変わることがあります。
例えば、
「右脚に体重をかけることが多い」
「いつも同じ脚を組む」
「片脚で立つと左右でバランスが違う」
などです。
これだけで「骨盤がズレて膝が痛くなる」と判断することはできません。
しかし、膝の痛みが片側だけに続いている場合は、左右の身体の使い方を確認することが重要です。
膝痛の主な原因⑤足首の硬さ
意外に思われるかもしれませんが、足首の動きも膝への負担に関係することがあります。
歩いたり、しゃがんだり、階段を下りたりするときには、足首もしっかり動いています。
ところが足首の動きが制限されると、その動きを膝や股関節が補うことがあります。
その結果、膝にかかる負担が変化する場合があります。
「膝が痛いから膝だけを見ればいい」と考えず、足首の動きも確認してみましょう。
特に、
- 過去に足首を捻挫した
- 足首が左右で動かしにくい
- ふくらはぎが硬い
- しゃがむと踵が浮く
- 階段で膝が痛む
という方は、足首の動きも一度確認してみるとよいでしょう。
膝痛の主な原因⑥姿勢や歩き方
膝の痛みが長引いている人に対して、現場で確認しておきたいのが姿勢と歩き方です。
膝は歩行時に体重を支えています。
そのため、身体の使い方に偏りがあると、膝の一部分に負担が集中することがあります。
例えば、
「つま先がいつも外を向いている」
「片側に体重をかける」
「歩幅が左右で違う」
「身体が左右に大きく揺れる」
などです。
もちろん、歩き方だけで膝痛の原因を判断することはできません。
しかし、痛みが出る動作と歩き方に関連性がないかを確認することは、膝痛を考えるうえで重要なポイントになります。
膝が痛くなりやすい動作にはどんなものがある?
膝痛の原因を考えるときは、「何をすると痛いのか」を確認することが重要です。
歩くと膝が痛い
歩くたびに痛みが出る場合は、膝に繰り返し負担がかかっている可能性があります。
ただし、歩き始めだけ痛いのか、長く歩くと痛いのか、歩いている間ずっと痛いのかによっても考え方が変わります。
階段で膝が痛い
階段では、平地を歩くときより膝周辺に負担がかかることがあります。
「階段を上ると痛い」
「階段を下りるときのほうが痛い」
など、どちらで痛みが出るのかを確認しましょう。
立ち上がると膝が痛い
椅子から立ち上がる動作では、膝だけでなく股関節や足首も使います。
膝の痛みがある場合は、立ち上がるときの姿勢や身体の使い方を確認することも大切です。
しゃがむと膝が痛い
しゃがむ動作では、膝を深く曲げる必要があります。
膝周辺の状態だけでなく、股関節や足首の動きも関係します。
膝の痛みを改善するために大切なこと
膝痛を改善するために、まず大切なのは痛みを我慢して動き続けないことです。
痛みが強い状態で無理に運動を続けると、症状が悪化する可能性があります。
一方で、痛みが落ち着いてきた後も過度に身体を動かさない状態が続くと、筋力や身体機能が低下する可能性があります。
そのため、状態に合わせて適切な運動量を考えることが大切です。
痛みが出る動作を把握する
まずは、
- 何をすると痛いのか
- いつ痛いのか
- どこが痛いのか
- どのくらい続いているのか
- 以前と比べて悪化しているのか
を確認しましょう。
これだけでも、自分の膝痛を整理しやすくなります。
膝だけをケアしない
膝が痛いと、膝周辺を揉んだりストレッチしたりする人が多いでしょう。
もちろん、状態によっては膝周辺のケアが役立つこともあります。
しかし、膝に負担がかかる原因が股関節や足首、姿勢、歩き方などにある場合、膝だけをケアしても負担が繰り返される可能性があります。
そのため、
膝 → 股関節 → 骨盤 → 足首 → 姿勢・歩き方
まで確認することが大切です。
無理のない範囲で身体を動かす
膝の痛みが強くない場合は、身体を適度に動かすことも大切です。
ただし、痛みを我慢してスクワットやランニングなどを行う必要はありません。
まずは日常生活の中で無理のない範囲から身体を動かしましょう。
運動を再開するときは、急に以前と同じ量に戻すのではなく、少しずつ負荷を増やすことをおすすめします。
膝の痛みは「年齢のせい」と諦めなくていい
膝が痛くなると、
「もう年だから仕方ない」
と諦めてしまう方もいます。
確かに、年齢とともに膝の関節や周囲の組織にはさまざまな変化が起こります。
しかし、膝の痛みがあるからといって、すべてを年齢だけの問題として片付けることはできません。
同じ年代でも、
「痛みがある人」
「痛みがない人」
がいます。
また、膝に変形があっても痛みを感じない人もいます。
そのため、
年齢 → 膝痛
と単純に考えるのではなく、
膝の状態 + 身体の使い方 + 日常生活の負担
という視点から考えることが重要です。
膝の痛みがあるとき、整形外科と整骨院はどう選ぶ?
膝の痛みがあると、
「整形外科に行ったほうがいい?」
「整骨院でもいい?」
と迷うことがあります。
まず、強い痛み、外傷、腫れ、熱感、歩けないほどの痛みなどがある場合は、医療機関で検査を受けることをおすすめします。
一方で、検査などで大きな異常が確認されていないものの、歩き方や姿勢、身体の使い方によって膝に負担がかかっていると感じる場合は、身体の動きを確認してもらう方法もあります。
整骨院などでは、膝だけではなく、
- 骨盤
- 股関節
- 膝
- 足首
- 姿勢
- 歩き方
などを確認し、身体のどこに負担が集中しているのかを考えていきます。
大切なのは、「どこに行けば必ず治る」と考えることではありません。
自分の症状に合った場所で、必要な確認をすることが重要です。
こんな膝の痛みには注意してください
膝の痛みの中には、早めに医療機関で確認したほうがよいものもあります。
以下のような症状がある場合は、自己判断で運動やストレッチを続けず、医療機関への相談を検討してください。
- 強い痛みが突然出た
- 転倒や衝突などの後から痛み始めた
- 膝が大きく腫れている
- 膝に赤みや熱感がある
- 体重をかけられない
- 膝が急に動かしにくくなった
- 膝がロックするような感じがある
- 安静にしていても強い痛みが続く
- 発熱などを伴っている
特に、外傷後の強い痛みや明らかな腫れがある場合は、「筋肉が硬いだけ」と自己判断しないようにしましょう。
膝痛の原因を知るには「痛い場所」だけを見ない
膝の痛みが続いていると、どうしても痛い場所に意識が集中します。
しかし、膝は身体の中でも非常に重要な「中継地点」です。
上には股関節と骨盤があり、下には足首があります。
そのため、
骨盤・股関節
↓
膝
↓
足首
という身体のつながりを考えることが大切です。
例えば、股関節が動きにくいことで膝がその動きを補っている場合もあれば、足首の動きが制限されていることで膝に負担がかかっている場合もあります。
また、姿勢や歩き方のクセが影響していることもあります。
だからこそ、膝痛を改善するためには、
「膝のどこが痛いのか」
だけではなく、
「なぜそこに負担が集中しているのか」
まで確認することが重要です。
まとめ|膝の痛みは原因を一つに決めつけないことが大切
膝の痛みには、筋肉や腱への負担、膝関節の変化、ケガ、運動量、姿勢、歩き方、股関節や足首の動きなど、さまざまな要因が関係しています。
そのため、
「膝が痛い=膝だけが悪い」
とは限りません。
特に慢性的な膝痛の場合は、
膝だけではなく、骨盤・股関節・足首・姿勢・歩き方まで含めて身体全体を見ること
が大切です。
また、強い痛みや腫れ、外傷後の痛み、体重をかけられないなどの症状がある場合は、まず医療機関で原因を確認しましょう。
膝の痛みを改善するために重要なのは、痛みを一時的に抑えることだけではありません。
「なぜ膝に負担がかかっているのか?」
を考え、自分の身体の使い方や日常生活の負担を見直していくことです。
「膝が痛いけれど、原因が分からない」
「膝の治療をしているのに痛みが繰り返す」
「歩く・階段・立ち上がると膝が痛い」
という方は、膝だけに原因を求めず、身体全体の動きを一度確認してみることをおすすめします。
膝の痛みに関するよくある質問
Q1. 膝が痛い原因は何ですか?
膝の痛みには、関節の変化、筋肉や腱への負担、ケガ、運動量、姿勢や歩き方、股関節や足首の動きなど、さまざまな原因があります。症状によって原因は異なります。
Q2. 膝が痛いのは年齢のせいですか?
年齢による膝の変化は痛みに関係することがありますが、年齢だけが原因とは限りません。身体の使い方や筋力、姿勢、日常生活での負担なども含めて考えることが大切です。
Q3. 膝が痛いときは運動してもいいですか?
痛みが強いときに無理な運動をするのはおすすめできません。痛みの程度や原因によって適切な運動量は変わるため、まず状態を確認し、無理のない範囲から始めましょう。
Q4. 膝が痛いときは膝だけ治療すればいいですか?
膝だけが原因の場合もありますが、股関節や骨盤、足首、姿勢、歩き方などが膝への負担に関係する場合もあります。痛みが続く場合は身体全体の動きを確認することが大切です。
Q5. 膝の痛みは整形外科と整骨院のどちらに行けばいいですか?
強い痛みや腫れ、外傷後の症状、体重をかけられない場合などは、まず医療機関で検査を受けることをおすすめします。身体の動きや姿勢を確認したい場合は整骨院などに相談する方法もあります。





