
「1日1万歩」が健康の目安とされていますが、その歩数を一度にまとめて歩くのと、何回かに分けて歩くのでは、体への効果は変わるのでしょうか?
実は、どちらにもそれぞれのメリットがあり、目的(心臓を鍛える・血糖値を安定させる・腰痛を防ぐ)によって最適な歩き方は異なります。
この記事では、英国の研究結果や専門医の見解をもとに、
「同じ歩数でも健康効果が変わる理由」
「心臓を強くする歩き方」
をわかりやすく解説します。
目次
心臓を鍛える最も手軽な方法は「歩くこと」
心臓を鍛えるうえで、最も身近で効果的な方法が「ウォーキング」です。
激しい運動をしなくても、日常生活の中で少し歩く工夫をするだけで、心臓や血管の健康を守ることができます。
たとえば――
- 車を普段より遠くに停めて歩く
- 一駅手前で降りて歩く
- エレベーターではなく階段を使う
こうした小さな積み重ねが、心臓を強くし、生活習慣病の予防につながります。
正しい歩き方で効果が変わる
同じ歩数でも、「姿勢」が悪いと効果は半減します。
背筋を伸ばし、肩を引き、腕をしっかり振ることで、心臓だけでなく腰痛予防や姿勢改善にもつながります。
ポイントは以下の通りです👇
- 背中を丸めず、目線は遠くを見る
- 腕を後ろにしっかり振る
- かかとから着地し、つま先で地面を蹴る
このフォームを意識することで呼吸が深くなり、
心肺機能を自然に鍛えることができます。
どのくらい歩けば心臓を鍛えられる?
米国の心臓専門医によると、「目標は1日約30分、息が切れる程度の運動だ。これは多くの人にとって強度の高いレベルだ」とのことです。
息が切れる程度とは、早歩きで会話はできるが歌は歌えない状態のことです。
このくらいの強度を30分維持できると、心臓がしっかり働き、心筋(心臓の筋肉)の耐久性が高まります。
英国の研究で明らかに|歩数と心臓病リスクの関係
英国の「UKバイオバンク」に登録された3万3,000人以上の成人を対象にした観察研究では、1日8,000歩未満の人たちを追跡調査しました。
その結果、歩行量が多い人ほど心臓病のリスクが低いことが明らかにです。
加速度計で動きを1週間記録した結果、「歩く頻度」や「1回の歩行時間」によっても健康効果に差があることがわかりました。
つまり、同じ歩数でも、歩き方の分け方で健康効果が変わるということです。
「長い散歩1回」と「短い散歩複数回」それぞれの効果
長い散歩1回のメリット
- 心肺機能・持久力アップ
- 脂肪燃焼によるダイエット効果
- 自律神経の調整・ストレス軽減
30分以上連続で歩くことで脂肪燃焼が活発になり、心臓の持久力を高める効果があります。
短い散歩を複数回のメリット
- 食後の血糖値上昇を抑える
- 血流改善によるむくみ・腰痛予防
- 無理なく続けやすい
特に「食後10〜15分の軽い散歩」は、糖代謝を改善し、糖尿病や動脈硬化の予防に役立ちます。
目的別におすすめの歩き方
| 目的 | おすすめの歩き方 | ポイント |
|---|---|---|
| 心臓を鍛える | 長い散歩1回(30分以上) | 息が切れる程度の速歩を意識 |
| 血糖値を安定させる | 短い散歩を複数回 | 食後10〜15分が効果的 |
| ダイエット | 長い散歩1回 | 20分以降で脂肪燃焼が活発に |
| 腰痛・むくみ予防 | 短い散歩を複数回 | 座りっぱなしのリセットに最適 |
| ストレス解消 | どちらでも◎ | 深呼吸を意識して歩くと◎ |
継続しやすいウォーキング習慣をつくるコツ
① 朝と夜に分ける
朝のウォーキングは自律神経を整え、夜のウォーキングは1日の疲れをリセットします。
「朝15分+夜15分」でも十分な効果があります。
② 正しい姿勢で歩く
姿勢を整えることで、呼吸が深くなり、血流と心拍が安定します。
結果的に、心臓の負担を減らしながら鍛えることができます。
③ 数字より「続けること」を重視
最初から完璧を目指す必要はないです。
1日10分でも、毎日続けることで確実に体が変わります。
まとめ|歩数より「習慣」が心臓を強くする
心臓の予備能力や強度、そして身体的な強さが必要です。
これらを組み合わせることで、冠動脈疾患や高血圧など、あらゆる心臓病の予防策になる」
つまり、「長く歩くか」「分けて歩くか」よりも、歩く習慣を続けること”が最大の健康効果なのです。
歩くことは、心臓を鍛え、血流を促し、姿勢を整え、ストレスを和らげます。
まさに全身の健康をつくる最強の習慣です。
今日も少し遠回りして、心臓を動かしてあげましょう。





