
「股関節が痛い」「歩くと違和感がある」──そんな悩みが続いていませんか?
その症状、変形性股関節症が進行しているサインかもしれません。
変形性股関節症は、関節軟骨のすり減りによって痛みや動きにくさが出る病気です。
症状にはステージ(進行度)があり、初期の段階で正しく対応できれば、進行を食い止めることも可能です。
この記事では、
- 変形性股関節症のステージごとの特徴
- ステージ別の「やってはいけないこと」
- 正しい歩き方と改善法
- 最近注目される「貧乏ゆすり」の効果
などを、整骨院の視点でわかりやすく解説します。
自分の症状がどの段階にあるのか、何をすべきかを知り、痛みのない生活を取り戻す第一歩にしましょう。
目次
変形性股関節症とは?ステージ分類を知る前に押さえたい基礎知識
変形性股関節症の原因と発症のメカニズム
股関節は「骨盤」と「大腿骨」がはまり込むように連結し、全身の体重を支えています。
この関節のクッション役である「軟骨」がすり減ると、骨同士がぶつかり痛みが発生します。
主な原因には、加齢、体重増加、先天的な臼蓋形成不全、姿勢の悪さ、筋力低下などがあります。
股関節の構造と痛みが出る仕組み
股関節は、日常動作のほぼすべてに関与しています。
軟骨がすり減ると関節液が減り、炎症が起き、さらに骨が変形して痛みを悪化させます。
放置するとどうなる?進行のサインをチェック
放置すればステージが進み、歩行困難・可動域の制限・日常生活の支障が出てきます。
早期発見・早期対策が何より重要です。
変形性股関節症 ステージ別の特徴と症状
初期ステージ(Ⅰ期)|違和感や立ち上がり時の痛み
股関節の奥が「つっぱる」「引っかかる」など、軽い違和感が出始める段階です。
この時期に筋力を維持することが、進行を止めるカギです。
中期ステージ(Ⅱ期)|歩行時の痛みが強くなる段階
動くたびに股関節に痛みが出やすくなり、跛行(びっこ歩き)が出始めます。
この時点で適切な施術を受けないと、関節変形が進むリスクがあります。
進行期ステージ(Ⅲ期)|可動域の制限と生活動作の困難
しゃがむ・正座などの動作が難しくなり、股関節が硬くなります。
痛みを避けようとする姿勢が、腰や膝にも負担をかけるようになります。
末期ステージ(Ⅳ期)|関節の変形が顕著で手術を検討する段階
関節の隙間がほとんどなくなり、痛みが強く歩行も困難です。
人工股関節置換術(THA)が検討される時期です。
変形性股関節症で「やってはいけないこと」|悪化を防ぐ生活習慣とは
長時間の立ち仕事・正座・階段の上り下りに注意
股関節に体重が集中する動作は、軟骨をさらにすり減らします。
特に階段の昇降は片脚に負担がかかるため、避けた方が良いでしょう。
自己流のストレッチや無理な筋トレは逆効果
股関節周囲の筋肉を無理に伸ばすと、関節や筋膜を痛める可能性があります。
専門家の指導のもとで行うことが大切です。
股関節を冷やす・体重増加もステージ進行の原因に
冷えは血流を悪くし、軟骨への栄養供給を妨げます。
また、体重が1kg増えるだけで股関節には数倍の負担がかかります。
変形性股関節症 ステージ別の歩き方の特徴と改善ポイント
初期ステージの歩き方|軽い跛行(びっこ歩き)に注意
痛みを避けようとして体を傾けると、筋力バランスが崩れやすくなります。
両脚でしっかり立ち、左右均等に体重を乗せることを意識しましょう。
中期~進行期の歩き方|代償動作が増える時期
上半身を振ってバランスをとる「トレンデレンブルグ歩行」が見られます。
杖や手すりを活用し、股関節にかかる負担を減らすことが重要です。
ステージを悪化させない歩行トレーニングと補助具の使い方
歩行練習では、小股・ゆっくり・姿勢をまっすぐを意識しましょう。
杖は痛みのある側と反対の手で持つと、体重が分散されます。
歩行・杖の使い方を知りたい方は、こちらも参考にしてください。
変形性股関節症と「貧乏ゆすり」の意外な関係
貧乏ゆすりが関節に与えるポジティブな効果とは?
意外にも、軽い貧乏ゆすりは股関節に良い刺激を与えます。
関節液の循環が促され、軟骨への栄養補給を助ける作用があります。
医療現場でも注目される“貧乏ゆすり運動”のやり方
椅子に座り、足首を軽く上下に動かすだけでOKです。
1日5〜10分を数回に分けて行うことで、血流改善効果が期待できます。
ステージ別で見る貧乏ゆすりの安全な取り入れ方
初期〜中期では積極的に取り入れ可能です。
進行期以降は痛みが強い場合があるため、無理せず専門家に相談しましょう。
変形性股関節症 ステージごとの治療・リハビリの方向性
初期~中期ステージでの保存療法と筋力トレーニング
股関節まわりの筋肉(中殿筋・腸腰筋)を鍛えることで関節を安定させます。
温熱療法や電気療法で血流を改善するのも効果的です。
進行期~末期ステージでの手術療法とリハビリの流れ
人工股関節置換術の前後には、筋肉の再教育が重要です。
整骨院では、術前の筋力維持・術後の動作改善をサポートできます。
当院でできる疼痛緩和・可動域改善のサポート
当院では、股関節の可動域改善と筋バランスの調整を中心に、
日常生活での痛み軽減を目指します。
ステージが進まないための予防とセルフケア
股関節を守る正しい姿勢・生活習慣
座るときは浅く腰かけ、骨盤を立てる姿勢を意識してください。
猫背や脚組みは、股関節のねじれを悪化させるため避けましょう。
筋肉を鍛えて股関節を安定させる運動
中殿筋トレーニング(横向きで足を上げる)や腸腰筋ストレッチが有効です。
痛みが出ない範囲で、1日数分から始めましょう。
食事・体重管理で股関節への負担を減らす
高たんぱく・低脂質の食事を意識し、体重コントロールを行いましょう。
減量はステージ進行の抑制にもつながります。
まとめ|自分のステージを知り、正しい習慣で股関節を守ろう
変形性股関節症は、ステージが進むほど痛みも強く、生活の質が下がります。
しかし、正しい知識とケアを続けることで、進行を遅らせることができます。
痛みを我慢せず、早めに専門家に相談しましょう。
当院では、「今のステージに合った施術・運動指導」であなたの股関節を守ります。





