
「椎間板ヘルニア4番・5番と診断されたけど、本当にそれが痛みの原因?」
そんな疑問を感じたことはありませんか?
実は、ヘルニア=すぐに痛みの原因とは限らないです。
さらに、なぜこの4.5番(第4・第5腰椎)に負担が集中しやすいのかをご存じでしょうか?
この記事では、私の今までの臨床経験の視点から「本当に痛みを引き起こす原因」や「なぜ4・5番がトラブルを起こしやすいのか」
そして「正しい対処法」について詳しくお伝えします。
目次
椎間板ヘルニア4番・5番とは?|腰の“要”に起きやすいトラブル

腰椎の4番・5番とはどこのこと?腰椎の構造を知ろう
背骨の下の方、第4腰椎と第5腰椎の間が「4.5番」と呼ばれる場所です。
ここは上半身の体重が集まる場所で、かつ動きも大きいため、腰椎の中でも非常に負担がかかりやすい部位です。
腰椎の4番・5番にかかる負担が大きい理由
- 重心が集まりやすい場所(特に立位・歩行時)
- 前かがみ・座る・中腰など日常動作で酷使される
- 腰の「曲げ伸ばし」「ねじり」が集中するポイント
このような特徴から、ヘルニアの発症頻度が最も高い部位とされており、当院でもこの腰椎の4番・5番に痛みを訴える方は非常に多いです。
でも…椎間板ヘルニア4番・5番=痛みの原因とは限らない?

実は無症状のヘルニアも多い
MRIやレントゲンで4.5番のヘルニアが見つかっても、実際は痛みを感じていない人も多いのが現実。
「ヘルニアがある=症状が出る」ではないのです。
ある研究では、無症状でもヘルニアが見られる人は40代で30%以上ともいわれています。(無症状とは痛みや痺れが出ないこと)
つまり、
「ヘルニアがある=すぐに痛みの原因」
痛みの原因が他にある可能性も十分ある
ということです。
筋肉・関節・姿勢の乱れも原因になる
ヘルニアと診断された方でも、実際は…
お尻の筋肉の硬さ(梨状筋症候群・中殿筋のトリガーポイントなど)
お尻の筋肉が硬くなると、神経や血流を圧迫し、しびれや痛みの原因になることがあります。
特に代表的なのが「梨状筋症候群」です。
梨状筋という深部の筋肉が緊張し、そのすぐ下を通る坐骨神経を圧迫することで、太ももやふくらはぎにかけてのしびれや痛みを引き起こします。
そしてもう一つ重要なのが、「中殿筋」という筋肉です。
中殿筋は骨盤の安定性を保つために非常に重要です。
ですが、この筋肉にトリガーポイント(筋肉のしこり)ができると、 お尻の外側から太ももにかけて痛みや重だるさ、しびれを感じることがあります。
この症状は、ヘルニアによる坐骨神経痛と間違われやすく、実際には「中殿筋を緩めたら症状が改善した」というケースも少なくありません。
どちらの筋肉も、日常の姿勢不良や運動不足、長時間の座位姿勢などが関係して硬くなりやすい部位です。
骨盤や背骨のゆがみ
日常の姿勢や身体の使い方のクセによって、骨盤や背骨がゆがむと、特定の椎間関節や椎間板に負担が集中してしまいます。
特に腰椎の4番・5番付近はその影響を受けやすく、「ヘルニアがある場所に痛みが出ているように見えて、実はゆがみが原因」というケースもあります。
股関節の動きの悪さ
股関節の可動域が制限されていると、その代償として腰の動きが過剰になってしまい、腰椎4・5番への負担が増えます。
本来、股関節で吸収すべき動きを腰が無理に行ってしまうことで、神経を刺激したり、筋肉の緊張を引き起こす原因になります。
腹圧の低下・体幹の弱さも腰に負担をかける
腰まわりには、背骨を支えるための「体幹」と呼ばれる筋肉があり、特に腹横筋(ふくおうきん)や多裂筋(たれつきん)などのインナーマッスルが重要です。
これらの筋肉がしっかり働くことで、お腹の内側に“腹圧”がかかり、背骨が安定した状態を保てるようになります。
しかし、長時間のデスクワークや運動不足、姿勢不良が続くと…体幹がうまく使えなくなり、腹圧が低下します。
結果として、腰椎、特に4番・5番に余計なストレスがかかってしまうのです。
この状態が続くと、ヘルニアの症状が悪化したり、周囲の筋肉が緊張して痛みを引き起こすこともあります。
重要なのは、筋力の強さより使い方と安定性です。
「鍛える」よりもまずは体幹の感覚を呼び戻し、正しく使う練習をすることが、症状改善への近道になります。
足関節・足底の機能低下
足首の可動域制限(固くなってしまう) 結果として、歩行・立位姿勢のバランスが崩れ、上にある腰椎に余計な負担がかかってしまいます。
患者さんに伝えると、「まさか足のせいとは…!」と驚かれることも多い要因です。
などが、神経を刺激して、似たような症状を出しているケースがとても多いのです。
そのため、画像診断だけで決めつけず、体全体を評価することが重要です。
ミナト整骨院だからできる!椎間板ヘルニアの“本当の改善”

原因を特定する「動作評価」からスタート
当院では、ただ「腰が痛い」「しびれる」といった症状だけを見て施術を始めることはありません。
症状の根本には、体の使い方のクセや筋肉・関節のアンバランスが関係していることが多いからです。
具体的には、以下のような点を丁寧にチェックしていきます。
- 立ち方・歩き方などの体の使い方
→ 左右どちらかに体重がかかっていないか?
→ 歩くときに腰やお尻に無理な負担がかかっていないか? - 筋肉の硬さや動きのクセ
→ 特定の筋肉だけが過緊張していないか?
→ 動作の中でスムーズに身体を連動させられているか? - 重心の偏りや姿勢の歪み
→ 猫背や反り腰、骨盤の傾きが腰に負担をかけていないか?
このように全身をトータルで評価することで、「ヘルニアがある=そこが原因」と決めつけずに、本当の原因を見極めることができます。
個別に合わせた施術とセルフケアで根本改善へ
腰椎4・5番にヘルニアがあっても、それが症状のすべての原因とは限りません。
実際、適切なアプローチをすることで痛みやしびれが改善するケースは多数あります。
当院では、お一人おひとりの状態に合わせて、以下のような方法で根本改善を目指します。
- 骨盤や腰椎のバランス調整
→ 骨格のゆがみや可動域の偏りを整えて、腰椎へのストレスを軽減します。 - 筋膜リリースによる柔軟性の回復
→ 硬くなった筋肉や筋膜を緩めて、血流や神経の通り道を確保します。 - 自宅でできるエクササイズや姿勢改善のアドバイス
→ 再発予防のために、ご自分で体を整える習慣づくりをサポートします。
「もうヘルニアだから仕方ない」とあきらめる前に、体の使い方や筋肉の状態を見直すことで、痛みのない生活が目指せる可能性があるということを、ぜひ知っていただきたいです。
腰椎の負担を減らすには?日常生活の見直しもカギ!

こんなクセ、ありませんか?腰に負担がかかる“日常の動き”に注意
腰椎4・5番に負担をかける原因は、特別な動作だけではありません。
実は、日常で何気なくしているクセこそが、じわじわと腰を傷める大きな要因になるのです。
例えば、こんなクセ…思い当たりませんか?
- 椅子に浅く腰かけて、背中を丸めたまま長時間座る
- 前かがみで洗濯物や荷物を持ち上げる
- スマホを見るときに首だけじゃなく、上半身ごと前に突き出す
これらの動作には共通点があります。
それは、腰を“曲げる動き”が多く、特に腰椎の下部(4番・5番)に圧が集中しやすいということです。
中でも、前かがみになるクセは要注意です。
腹圧が抜けてしまい、腰の筋肉と椎間板にグッと負荷がかかります。
繰り返すことで、ヘルニアの悪化や神経の圧迫に繋がるリスクが高まります。
つまり、「痛みの原因は、日常のクセの積み重ね」ということです。
今感じている痛みやしびれは、ある日突然起きたわけではなく、少しずつ積み上がってきた負担の結果なのです。
腰にやさしい体づくり|おすすめ簡単エクササイズ
「ヘルニアって動いちゃダメなんじゃ…?」
そんな不安を感じる方も多いですが、正しく体を動かすことは、むしろ腰の負担を減らすためにとても大切です。
特にポイントになるのは、腰まわりを支えるインナーマッスルとお尻の筋肉です。
これらがうまく使えるようになると、腰椎4・5番にかかるストレスを日常的に分散できるようになります。
そこで当院がセルフケアにもすすめている、以下の2つの簡単エクササイズ:
ブリッジ運動(お尻の筋肉=大臀筋の活性化)
仰向けになり、膝を立ててお尻をゆっくり持ち上げるシンプルな運動です。
お尻と太ももの裏をしっかり使うことで、骨盤が安定し、腰への負担を軽減できます。
ポイントは、「腰を反らせすぎず、お尻で持ち上げる」意識で行うことです。
たった10回でもじんわり効いてきます。
ドローイン(体幹インナーマッスルを鍛える呼吸トレーニング)
お腹をへこませながら、ゆっくり深く呼吸を繰り返すエクササイズです。
主に腹横筋や多裂筋といったインナーマッスルが活性化し、腰椎を内側から安定させるサポートになります。
寝たままでも、座ったままでもOKです。
「気づいたときに呼吸を整える」だけでも、腰にとっては大きなプラスになります。
これらは運動が苦手な方でも無理なく始められるうえに、続けることで腰痛やヘルニアの再発予防にもつながります。
毎日の習慣にちょっとプラスするだけで、腰の予防になります。
【まとめ】
椎間板ヘルニア4番・5番は、腰の中でも負担が集中しやすい要注意ポイントです。
しかし、痛みやしびれの原因が本当にヘルニアなのかは慎重に見極める必要があります。
整骨院では、画像だけに頼らず、体の使い方や筋肉・関節の状態から“本当の原因”にアプローチが可能です。
「ヘルニアがある=あきらめる」ではありません。
正しいケアで、あなたの体はまだまだ変わっていきます。