
腰痛は、誰もが一度は経験すると言われる身近な症状です。
しかしその原因は一人ひとり異なり、単に筋肉が弱っているだけではなく、
「姿勢のクセ」
「関節の動きのアンバランス」
「インナーマッスルの働きの低下」など、
複合的な要因が関係しています。
この記事では、私が現場で多くの症例を診てきた視点から、「腰痛防止に必要な筋トレ」について、一般的なトレーニング紹介だけにとどまらず、「なぜその筋トレが必要なのか?」まで掘り下げて解説していきます。
腰痛を詳しく知りたい方は、こちらもご参考にしてください。
目次
なぜ腰痛は起こる?腰痛防止に筋トレが必要な理由

腰痛の原因となる姿勢・生活習慣とは?
現代の生活環境は、腰痛を引き起こしやすい要素にあふれています。
特に多いのが以下のようなパターンです:
- デスクワークで前かがみの姿勢が続く
- 運動不足による筋力の低下
- 立ちっぱなし・座りっぱなしによる血行不良
- 体重の増加による腰部への負担増
これらの積み重ねによって、腰まわりの筋肉や関節に偏ったストレスが加わり、やがて痛みとして現れます。
当院では、こうした「身体の使い方のクセ」や「姿勢のアンバランス」を評価した上で、痛みの本質的な原因を見極めるようにしています。
筋力低下と腰痛の関係|インナーマッスルがカギ!
腰痛防止のための筋トレにおいて重要なのは、「どの筋肉を鍛えるか」です。
特に着目すべきは体幹の深層筋=インナーマッスル(腹横筋・多裂筋・骨盤底筋など)です。
インナーマッスルは、骨格を内側から支える役割を持ち、姿勢を安定させたり、日常動作での腰の負担を減らすために必要不可欠です。
実際、腰痛患者さんの多くは、こうした筋肉の「出力低下」がみられます。
これは筋力不足というよりも、うまく使えていない(=神経・筋の連動が弱っている)という状態です。
そのため、単に筋トレをするのではなく、「正しい動作で筋肉に刺激を入れる練習=再教育」が腰痛防止には大切なのです。
腰痛防止のために行うべき筋トレメニュー5選

初心者でもできる腰痛防止の筋トレ【自宅編】
以下の筋トレは、腰に負担をかけすぎず、インナーマッスルを活性化させることができます:
ドローイン
→ 腹横筋を鍛え、コルセットのように腰を支える力を強化。
【ポイント】息を吐きながらお腹を凹ませ、腰が反らないように注意。
ヒップリフト(ブリッジ)
→ 大殿筋とハムストリングスを鍛え、骨盤の安定性を高める。
【ポイント】お尻を締めて骨盤を浮かせ、腰で反らずに持ち上げる。
プランク
→ 全身の体幹を鍛えることで、腰部の負担を分散。
【ポイント】腰が落ちないように一直線をキープ。
キャット&カウ(背骨のモビリティ向上)
→ 背骨と骨盤の連動性を高める、動的ストレッチ要素。
サイドプランク
→ 腰の横側(腹斜筋・中殿筋)を鍛えて、骨盤の左右差を整える。
これらのトレーニングは、痛みがない範囲で週2〜3回、1回5〜10分程度の実施で十分です。
腰痛予防におすすめの整骨院式トレーニング
当院では、腰痛の原因を表面的な「痛み」だけでなく、姿勢のクセ・関節の動き・筋肉のバランスなどを多角的に評価します。
そのうえで、一人ひとりの身体に合ったオーダーメイドのトレーニング指導を行うため、「効果的に・安全に・長く続けられる」腰痛予防が可能です。
具体的には、次のようなタイプ別にアプローチ内容を変えています。(一例)
反り腰タイプの方には…
反り腰の方は、腰椎の前弯が強くなり、常に腰の筋肉が緊張状態にあります。
このタイプには、以下のようなトレーニングを行います:
腸腰筋のストレッチやリリース:骨盤を前に引っ張っている筋肉をゆるめる
腹筋(特に腹横筋)を活性化:骨盤を後傾させる力を高め、バランスを整える
これにより、腰が反りすぎない正しい骨盤ポジションが保てるようになり、腰への負担を軽減できます。
骨盤が前傾している方には…
骨盤の前傾が強いと、腰だけでなく股関節や太ももにまで影響が出て、動きのバランスが崩れてしまいます。
このタイプには:
ハムストリングス(太ももの裏)を強化:骨盤を後ろに引き戻す力をサポート
中殿筋(お尻の横の筋肉)を鍛える:骨盤の左右バランスを安定させる
これにより、腰だけに頼らない「全身で支える」バランスの良い姿勢が身につき、慢性的な腰痛予防につながります。
股関節が硬い方には…
股関節の可動域が狭くなると、歩行や前かがみ動作などの日常の動きで腰が代償的に頑張ってしまい、痛みを引き起こすリスクが高まります。
このタイプには:
股関節の可動域を広げるストレッチやモビリティエクササイズ
股関節を正しく使うための軽負荷トレーニング(例:スクワットやランジ)
を段階的に行い、**「腰でがんばらず、股関節で動く」**という正しい動作パターンを再教育していきます。
「整えてから鍛える」が腰痛予防の近道
これらのように、当院ではまず「姿勢や動作を整える」ことを重視したうえで、段階的に筋トレを取り入れていきます。
ただやみくもに鍛えるのではなく、正しい動かし方を身につけることが腰痛予防の本質的なアプローチ。
「どこを」「どうやって」鍛えるかで、効果はまったく変わってきます。
一人ひとりに合った方法を知ることが、腰痛を改善する第一歩です!
腰痛防止の筋トレを継続するためのポイント

無理のない頻度と時間が腰痛防止のカギ
筋トレを始めたばかりの方が陥りがちなのが「がんばりすぎて続かない」パターンです。
腰痛防止が目的であれば、ハードなトレーニングは必要ありません
。むしろ「継続できる運動習慣を作ること」が重要です。
- 1日5分でもOK
- 朝起きたとき or 寝る前など、ルーティンに組み込む
- 最初は2種目だけでもOK
というように、まずは「やめずに続けること」を最優先にしましょう。
腰痛が悪化しないように注意すべきポイント
筋トレを行う際には、次の点に注意してください:
- 痛みが出るようなフォームは即中止
- 急性期(ぎっくり腰など)の場合は運動を避ける
- 呼吸を止めずに、リラックスして行う
- 反動や勢いをつけない
当院では、動作を撮影してフォームを確認したり、可動域チェックで無理のない範囲を見極めたりと、安全性を重視した指導を行っています。
腰痛防止の筋トレ+整体の組み合わせで根本改善へ

筋トレだけでは不十分?整骨院でできるサポート
筋トレは確かに腰痛防止に効果的ですが、骨格や神経系の状態にゆがみがあると、筋トレの効果が正しく発揮されません。
当院では、
- 骨盤や背骨の歪みを調整する「手技」
- 神経の働きを回復させる「リハビリ的アプローチ」
- 動作パターンの改善(歩き方・立ち方・座り方)
など、筋トレだけではカバーできない部分も丁寧にサポートします。
腰痛防止のための筋トレ相談は整骨院へ
「自分に合った筋トレが分からない」
「痛みがあるから不安でできない」
そんな時は、自己流ではなく、ぜひ当院を頼ってください。
身体の状態に合った最適な方法で、あなたの「腰痛防止」のお手伝いをいたします。


まとめ|腰痛防止は「筋トレ+姿勢改善+継続」がカギ!
腰痛は、筋肉・姿勢・神経・習慣など様々な要因が絡み合って起こります。
そのため、「筋トレだけ」「ストレッチだけ」では限界があるのも事実です。
腰痛防止には、
「自分に合った筋トレを正しく、継続的に行うこと」
「骨格バランスや姿勢の調整」
が必要です。
痛みが出る前に、予防の一歩を始めましょう。
ご相談はいつでもお気軽にご連絡ください。